DXのはじめ方
こんにちは!!キャッシュレスからはじめるIT経営を推進する、CROSSHEART 伊藤です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)をすすめる上で、自社でどの様な取組みを行えば良いのか?ということを恐らく多くの方が考えていることと思います。
個人事業、小規模事業者では「デジタル庁創設やデジタル化が自身とどう関係するのか」と言う点について十分に理解が進んでいないものの、中小企業では、所属する各種団体からの案内やベンダーからの営業などにより、情報収集をしているそんな印象を持っています。
DXとは何か?IT化と何が違うのか?と言うことがはじめに浮かぶ疑問と思われますが、それについてはDXとIT化の違い①②で私なりに解説してみました。ここでは、次に「DXのはじめ方」について最も重要なことをお伝えしたいと思います。
DXは何からはじめたら良いのか?
DXに取り組むにあたり、「何からはじめたら良いのか?」「どのように取り組めば良いのか?」と言う次の疑問が沸き上がってくると思います。具体的な方法について触れる前に、これまでのIT化の一面を簡単に振り返ってみましょう。
電話やFAXに代わりメールが主流となり、この3〜5年でビジネス版メッセンジャーアプリやSNSのメッセージサービスを利用したコミュニケーションも広がっています。
・slack(スラック)
・Chatwork(チャットワーク)
・Microsoft Teams(マイクロソフトチームス)
・LINE WORKS(ラインワークス)
・Workplace(ワークプレイス)
その他、セールスフォースやサイボーズなどグループウェアを導入している企業は、それらに付属のサービスでコミュニケーションを行っていることと思います。
いずれのサービスもこれまでのオンプレミス型(社内運用型)と異なり、クラウド型を採用しており安価で提供されています。1アカウント数百円で人数分の契約をしても従来型より負担額が非常に安いことから社内稟議も通りやすく導入する企業は多かったと思います。採用担当した者には、これらのITツールの機能はもちろん活用イメージも具体的で社内業務の効率化や円滑化などへの期待が高まっているものです。しかしながら、実際に社内で採用すると決めてから導入、運用となると、反対を受けたり理解が得られなかったり、と言う状況に遭遇することになります。そして、そもそも安いものだし、客先に出るものでもない間接部門と言うこともあり、社内の最適化スピードは徐々に遅れ、気づいた時にはお金だけ払っている、そんな状況になってしまったとの声も耳にします。
ここで注目したいのは、
・ツールありきではなかった
・担当スタッフに任せきりにしていなかったか
・ツールを導入し社内業務や導線設計などの見直しは行われたか
と言うこと。これまでの失敗を反省せずに、DXに舵をきると極めて高い確率で同じ失敗を繰り返します。つまり、DXのはじめ方として取り組むべきは、現在採用しているシステムやサービスに課題はないか?問題点があるとしたらどんなところが問題なのか?と言う現状把握を丁寧に行うことです。
この現状把握をどこまで丁寧にできるかが、DXの成功の鍵をにぎります。
DXツールとして代表的なモノは、各業種、部門ごとにとても多くリリースされています。BOXILが発表しているカオスマップを見ても分かる通り、非常に多いことが分かります。
DXツールとして注目されているのは、○aaS(as a Service)と通称で言われているものがその一つです。今、もっとも注目されているのは「SaaS=Service as a Service」で、先にあげたツールはいずれもココに該当します。
また、デジタルマーケティングに特化したMAツール、社内業務効率化のためのBIツールなどもありますが、高額になるものも多いのが現状です。それでもオンプレミスよりは安く、画期的な機能も搭載されているためにツールから入りたくなるのはとてもよく分かります。私自身、コロナ禍で開催されたオンラインイベントで知ったサービスのいくつかについては面談の機会を頂きサービスの説明を受け、時代の進化を感じると共に社内で補えない多くをサポートしてもらえると実感しました。
ITに詳しい人材を採用することが困難な状態は続いており、今後もその状況は変わらないと予想されているため、社内の人材を育成するか、即戦力になる人材を求め続けるか?どちらも「時間」が掛かります。すぐに動こうと思えば、何かしらシステムを採用すると言う選択肢は間違った選択ではありません。
だからこそ、きっちりとトランスフォームするためにも、現状把握を丁寧に行うことが必要になります。
忘れてはいけないDXの本質
現状把握を丁寧に行うとはどう言うことか?
当然、目指すゴールに向かうにあたって、現在がどのような状況であるのかを見ていくため、目指す目標が明確でなければならないと言うのは大前提の話です。
MAツールやBIツールを入れることがゴールではなく、それらの導入は置いといて、実現したいもの、目指している状態はどの様なものなのか、全社員、スタッフで共有されているか、とても重要になります。
労働力人口の減少により、全国の中小企業が人材不足に悩んでいます。前述の通り、賃金をあげたからと言って、容易に良い人材が来てくれるわけではなく、そもそも人が不足している今、少ない人数でも回る仕組みに変えていかなければ、一部の社員やスタッフに負担がのしかかり疲弊、社内の空気は淀んでミスやトラブルを誘発してしまいます。
あえて、ここだけに特化してDXを語るとするならば、
「ズバリDXは愛だ」
とお伝えしたい。
MAツールを導入して売上拡大を目指すことも、BIツールを導入して業務効率化を測ることも、行き着くところは「愛」です。
奇しくも2020年は新型コロナウィルスの感染拡大により、外出自粛と言う前代未聞の出来事が起こりました。夫婦喧嘩が増えたと言う声もありましたが、家族の時間が増えて夫婦仲が良くなった方が多かったと調査結果にも出ているようです。家族との時間が何よりだと実感したからこそ、私たちは穏やかに家族と過ごす時間を確保し続けるためには、「働き方」の改善が必要であり、テレワークはもちろん、徹底的にムダを省き効率化を図ることでそれが実現できる。家族を大切し円満であることで良い仕事ができ社内融和に繋がる。もちろん、顧客との信頼関係もさらに高まり、ひいては売上拡大に繋がり企業の存続、成長に繋がると考えています。
DXとは愛だ
極端に感じられる方も多いと思いますが、転職も副業も自由な時代になりましたが、社員、スタッフが安心して働けるように、企業は時代の変化に対応し、存続し続けることが求められます。
その事を頭の隅に置いて、システムに振り回されないDXに取り組んで頂きたいと思います。