マイナンバーとマイナンバーカードのこれから

外出自粛にも関わらず区役所に人が押し寄せていたのを見た時、いったい何が起こっているんだろうとビックリしました。ほどなく、マイナンバーカードの何かしらの手続きでやって来ているんだと理解しました。それでも、マイナンバーカードの発行率は2割にも満たないだけでなく、所有しているのは主に高齢者なのに、まさかオンラインでの定額給付金申請をするとは、正直思っていませんでした。

1.10万円の給付金、名ばかりのオンライン申請

4月30日に補正予算が成立した直後から支給開始となった10万円の特別定額給付金。幸い、わが家は今年1月にマイナンバーカード発行手続きを行い2月中旬にカードを受け取っていたので、福岡市が申請受付を開始した5月1日、朝イチで申請手続きを行い、5月11日に給付金を受領しました。あまりの早さに流石、福岡市、流石、オンライン申請とちょっとした優越感を感じたことを正直に告白します。

今は、自粛も解除され6月も中旬に差し掛かり、日々、あまりにも色々なことがありすぎて、ずいぶん前のことのようにさえ感じていますが…

ただ、報道を見る限り、オンライン申請したものでさえも、一度、プリントアウトしてチェックしていること、1億2000万人およそ5800万世帯もの手続きを人海戦術で行っていると言うことに、驚きを隠せないと言うより、正直、呆れて言葉が見つかりませんでした。

日本がIT革命と公式に言うようになった2000年からすでに20年も経っているにも関わらず、AIだのデジタルトランスフォーメーションだのと言っているにも関わらず、足下があまりにもアナログ過ぎて、とても信じ難い。

どうしてこんな事態になっているのでしょう?メディアが連日、政権や政策のマイナス面ばかりを批判する気持ちも分からなくもないけれど、取り上げるべきは、どうして日本がこんなIT後進国になってしまったのか、政府批判だけでなく国民はどう考えてどう行動することで、現状を変えることができるのか、ではなかったか。

ネットやSNSの影響力が増しているとは言え、TVの優位性はまだまだ絶大であることを再認識した上で、イデオロギーに関係なくメディアの役割を考え直して欲しいと言うことと、私自身、人々が考えたり判断したりする上で必要な情報を、スピーディに分かりやすく丁寧に発信していかなければならないと、強く感じた出来事でもありました。

 

2.マイナンバーとマイナンバーカードとマイナポータル

マイナンバー制度によって、すでに番号は全国民に割り当てられているのは、周知の事実ではありますが、その実、この制度についての理解はマイナンバーカードの発行率より低いのではないかと感じています。

と言うのも、マイナンバーカードの発行率は今年の1月時点では14.9%とか。カードは受け取ったものの、何に使えるのか、どう便利になるのか、郵送で届いた通知カードとその案内の通りにカードを作っただけと言うのが現状ではないかと推測します。

理解されていないだけでなく、マイナンバー制度そのものに不信感を覚えている人が多いのも事実です。確かに、個人情報の漏洩の危険、政府による情報管理・監視に対する警戒心がないと言えば嘘になるかもしれないけれど、まず、前提条件としてリアルカードのICチップには券面に印字されている以上の情報は入っていないと言うことを知らなくてはいけません。

つまり、私たちはカードを作ろうが作らなかろうが「マイナンバー」はすでに割り振られていて、マイナンバーカードを発行したとしても、クレジットカードや運転免許証などと同じ様にしっかり管理すれば、過度に恐ることはないのではないでしょうか?直接的にはクレジットカードの方が紛失したら大変なことになりませんか?

住民票にマイナンバーが記載できることから、健康保険も年金も児童手当もマイナンバーで管理されていることは分かりますよね。それもあってか、その必要性が見出せず、

マイナンバカードを作った方が良いですか?

と言う声を耳にすることもありますが、すでに通知カードは5月25日で無効になっていますし、今後、行政手続きがマイナンバーカードを中心に行われることを考えると、カードを作らないことの方がデメリットではないでしょうか?

もちろん、このブログを書いている現時点では、個人の自由なのでご自身のお考えに従って判断されれば良いとは思いますし、マイナポータルからの手続きが心が折れてしまうほど、使いにくいものであることは、一旦、置いておきましょう。

 

3.銀行口座と紐付け

敢えて、このブログを書いている現時点では、としたのはマイナンバーと銀行口座を紐付けることが義務化される方針が固まったことから。

実は、すでに2021年から新規口座開設の際にはマイナンバー必須となっていました。が、この度のコロナウィルス感染拡大の影響に配慮して給付金を支給するのに、1ヶ月以上経った今でも3割程度の支給に留まっていつことが問題になっています。そこで対策の一つとして、マイナンバーと銀行口座を連結させる、但し、全口座ではなく1口座のみ、と言う方針に決まった様です。

とは言え、法案が提出されるのは来年の通常国会と言うことなので、仮にコロナウィルスの第2波、3波がやってきて再び緊急事態宣言が発令され給付金支給となったとしても、そのメリットを享受することはできそうにありません。

一方、銀行や信用金庫などにとっては、ゼロ金利政策やキャッシュレス決済の普及によって、経営状況が厳しくなっていると言う現状があります。そこに今回の取組みはシステム改修などの時間とコストは掛かるにしても、一度、紐付けたら生涯顧客を獲得したも同然なので、年末辺りに獲得キャンペーンが賑やかになるのでは、と予想しています。利用者側のメリットは従来の銀行独自のポイント制度にプラスの要因となりそうですし、ネット専業銀行などは住宅ローンの金利を優遇したり、ATM手数料を軽減したり、ってことになるかもしれません。

ただ、それだけで銀行の経営課題が解決するわけではないので、時期を同じくしてATM手数料の引き上げや各種手数料の引き上げ、場合によっては口座管理手数料の導入にまで踏み切るところも出てくるかもしれませんし、更なる銀行統合なんてことも予想されます。

 

4.キャッシュレスポイント還元

再び、話しを日常生活に戻すと、経済産業省のキャッシュレスポイント還元がこの6月で終了します。 そして9月からは総務省のマイナポイント制度活用によるキャッシュレスポイント還元がスタートします。 期間は2021年3月までで、マイナンバーとキャッシュレス決済事業者のうち1社を連携させることで、そのキャッシュレス決済を行った場合、マイナポイントとして最大5,000円分(キャッシュレス決済金額の25%)のポイント還元が受けられると言うもの。(詳細はこちら

スマホアプリ「マイナポイント」をダウンロードして、マイキー設定を行いキャッシュレス決済事業者を1社選んで設定できる様になるのは7月から。こちらもキャッシュレス決済事業者のキャンペーン合戦が賑やかになりそうです。

当初、4月からマイナンバーカード普及に向けて、行政は説明会やイベントなどを開催する予定でした。幸か不幸か、今回の10万円の特別定額給付金の支給にあたりマイナンバーカードを使ったオンライン申請がワイドショーなどでも広く取り上げられたことで、周知活動は必要なくなりました。7月以降はマイキー設定、決済事業者の連携などは決済事業者がイベントやキャンペーンなどで促進して行くのかもしれません。

IT分野において、日本は海外に比べて大きく出遅れていることが分かった今、批判ではなく自らできることに取り組んで行きたいと思います。