TDLは学びの宝庫。マーケティング戦略に思いを馳せたプライベートな旅

かれこれ30年以上ぶりのディズニーランドに行ってきました。

当時はまだディズニーシーはなくて、ランドを満喫するだけでも1日では足りない、そんな風に思った記憶がうっすらと残っていますが、今回、家族と2泊3日で出かけたところ十分すぎるほどで、再び訪れるにはちょっと遅過ぎたことを実感しました。

でも、だからこそ発見の多いディズニーリゾートだったのでビジネス視点でまとめてみました。

ただのスポンサーではない参加企業制度

東京ディズニーリゾートは「参加企業制度」を採用しています。企業がパーク内の施設を提供し、広告宣伝や販売促進といった営業活動、あるいは広報活動などに、テーマパークをひとつの媒体、素材として使用できる制度。第一生命がビッグサンダーマウンテンを楽しむディズニーキャラクターのカレンダーを契約者に配布していて、どうしていつもビッグサンダーマウンテンなんだろうと不思議に思っていました。

ディズニーシー・トランジットスチーマーライン

今回のディズニーランドでは、ポリネシアンテラス・レストランでランチを取りました。失礼ながらあまり期待せずに入ったのですが、親しみのある味付けで、食事で冒険をしない私でも抵抗なく食べられたのは、キッコーマンだったからのようです。

実は、22年ほど前にロサンゼルスのディズニーランド・リゾートに行ったことがあるのです。それも懸賞で当選して!この懸賞もまた、参加企業制度の「ENEOS」だったわけです。ガソリンスタンドの利用者向けに行った企画でディズニーやユニバーサルにも行ける西海岸の旅なんて当たるわけないと思いつつ応募したらまさかの当選。その当時は深く考える訳ではなく気に留めることもなく、ただただラッキーと言うだけのことでした。

ヴェネツィアン・ゴンドラ

この10月から某専門学校でマーケティングの授業を受け持っているのですが、だからこそ、ENEOSで当選したロスのディズニーランドのことも、第一生命のカレンダーのこともマーケティングと言う視点で理解を深めることができました。

また、ディズニーリゾートは生徒たちが興味を持っていてイメージしやすい最高の教材。これまでの授業でも折に触れてディズニーを事例に取り上げていたので、今回の体験による気づきも学生達は興味を持って話しに耳を傾けてくれたようでした。

語彙力の限界。ただただ、スゴい!

そしてもう一つ、施設の一つ一つがよく出来ているなと。

アミューズメントパークで人気アトラクションに乗ろうとすれば長い待ち時間がつきもの。近年では、別途チケットを購入することでその待ち時間を短縮することができるものの、とにかく待ち時間は辛い。そんな待ち時間を少しでも楽しめるように工夫されているだけでなく、造作物もとてもよく出来ています。こんな大規模なものを設計して作って、そして安全に運用し続けるオペレーション、スタッフの丁寧で安全に配慮された対応、どれも本当に素晴らしいと感じました。

先日、初めてチャレンジした初マラソンでも大きなイベントを企画運営する大変さを想像せずにはいられませんでしたが、イベントと施設の運営との違いはあれど、ここでも感動!

この30年で製造業やサービス業などさまざまは社会経験を経たことで、一つ一つのことがとても感慨深く感じられました。また、自分自身が新たなプロダクト開発に挑んでいるからこそ、これだけのことを成し遂げることの大変さをひしひしと感じたんだろうと思います。

人を巻き込む

海外の企業であるにも関わらず、日本で大ブレイクする事例がいくつかあります。記憶に新しいところではYogiboが挙げられますが、東京ディズニーリゾートは代表的な一つ。

TDLの成功の秘訣を語ったものは多くありますが、今の私には、参加企業制度を設けたことはとても大きいと感じました。両者にメリットがあり、ゲスト(顧客)も嬉しい制度。大きなことを成し遂げようとするならば、どれだけ周りを巻き込むことができるか、巻き込まれたくなるようなビジョンやミッションを明確に打ち出せるか、経営者には問われているんだと改めて痛感しました。

帰路に着く飛行機の中で読んだ書籍「スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義」にも、やはり同じようなことが書かれていました。

プライベートな旅ではありましたが、ビジネス的にも得るものが多い旅でした。