九州大学芸術工学部 キャッシュレス講義へ

 

昨日10月15日、九州大学芸術工学部九州大学芸術工学部工業設計学科と大学院芸術工学府の授業で、学生とステークホルダーが共創して問題発見や問題解決を行う授業「キャッシュレスのデザイン」がスタートしました。

西日本フィナンシャルグループ、LINE、楽天、マネーフォワードなど福岡市のキャッシュレス実証実験に取り組む企業、福岡市、西日本新聞と産学官が一体となって「キャッシュレス」について考える授業は、今後、新天町商店街で経営者の生の声を聞きながら進められます。

  

未来の財布

尾形准教授からアイスブレイクとして「未来の財布」と言うテーマが出された。キャッシュレスの普及に伴い、財布がどの様に変わって行くのか!?

まずは「財布の中身」を全て洗い出すことからスタート。

  • 現金:紙幣、硬貨
  • カード:キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード
  • ポイントカード:Tポイントカード、Pontaカード...
  • 身分証:免許証、保険証、マイナンバーカード、印鑑証明...
  • レシート:スーパー、コンビニのレシート
  • その他:写真、おみくじ、お守り、診察券、名刺、ピック...

財布の中を全て洗い出してみると、「どうしてこんなものが?」と言うものが誰の財布にも入っていたり、紛失しないための確かな保管場所として使われていたり、お金を入れるための「物」にお金以外のものが多く入っていることを改めて実感。

 

 

そこで、「未来の財布」はどうなるのか?

財布の中の必要ないものを洗い出してみると全会一致で「レシート」

レシートも細かく見ていくと、申請することで「お金に変わる」レシートとゴミでしかないレシートがある。キャッシュレスに移行している参加者は、全てアプリに記録され、いつでも履歴が見れるためレシートは受け取らない。

すでに未来の財布の一端が見えていた!!

一つ一つ取り上げて行く中で、存在感を醸し出していたお守りやおみくじ。色々なものが電子化、デジタル化されていくものの、果たしてお守りやおみくじがデジタル化されたとき、有り難いものと感じられるのか、変わらず大切にするか。デジタル化して欲しくない、電子化されないとしたらどうするか?答えは出ないまでも考える機会となった。

あらゆるものがデジタル化された時、いずれにしも今の「財布」は機能が変わってくることが予想される。ただ、ファッションアイテムの一つとして、残り続け、携帯し続けるものではあるだろう、と言うところにたどり着いた。


この授業には、キャッシュレス普及率60%超の中国からの留学生も参加しており、チームに分かれてのディスカッションはいずれも中国の事情を聞きながら、日本がこれから進むであろう状況、経験するであろう課題にも触れることができた。

     

デシタル化

財布に入っているものの中に、すでにデジタル化されているものもあります。

  • ポイントカード:Tポイント、Pontaポイントなど
  • 名刺:名刺管理アプリ Eight
  • 診察券、レシート

現在、レシートの電子化も進められており、今年の2月に東京都町田市で実証実験も行われています。

電子レシートはハードにコストがかかるために、キャッシュレスで利用するアプリなどに残る履歴や電子データがいかようにか整備され代用される様になるのでは、そう思うところです。

 

消費増税とキャッシュレス

折しも、安倍総理が2019年10月、予定通り消費税を8%から10%に増税する、と正式に発表し、景気減退を抑止するためにキャッシュレスの推進も合わせて発表されました。

軽減税率などの細部の制度が決まっていない中で、経営者の方々にとっては不安でしかないと想像しますが、これから始まる授業がその不安を拭う一助になれば、そんなことも思う初回授業でした。